低反発バット高校野球に導入理由と影響・新基準を調査!2部制や7回制についても!

2022年、日本高等学校野球連盟(日本高野連)から低反発バットの導入が発表され、大きな話題を呼びました。

2年間の移行期間を経て、2024年春の第96回選抜大会から低反発バットが導入されました。

そもそもなぜ高校野球に低反発バットが導入されたのか?

導入したことで飛ばない?という声もあり、どんな影響が出ているのか調査しました!

また、最新情報として2部制や7回制についても紹介します。

ぜひ最後までお読みください。

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低反発バットを高校野球に導入した理由とは?

2024年春から、高校野球で反発性能を抑えた新基準の低反発バットが導入されました。

低反発バットの導入背景には、以下の3つが挙げられます。

  • ピッチャー返しの打球による投手の怪我防止
  • 打高投低の是正
  • 投手の負担軽減

1つずつ解説します。

ピッチャー返しの打球による投手の怪我防止

2019年8月、ピッチャー返しで打球が顔面を直撃し、左ほおを骨折するという痛ましい出来事が起きました。

また、過去には練習試合中に投手に打球が直撃し、投手が死亡する事故も起きている。

こうした出来事から金属バットの危険性が懸念され、その対策として低反発の金属バットが採用されました。

低反発の金属バットは、打球の飛距離が抑えられる特性があります。

これにより、投手の方向に向かう打球の速度が大幅に低下し、投手の怪我予防につながると考えられています。

ピッチャー返しでの怪我は、さかのぼると数えきれない程ありましたが、2019年8月の出来事をきっかけにバットの規格が変更されたようです。

打高投低の是正

「打高投低」とは、打者が有利で投手が不利な状況を指します。つまり、打者が打ちやすく、投手が打たれやすい状況のことです。

近年、高校野球では「打高投低」が問題視されてきました。

従来の高反発バットは、芯を外しても飛ぶ金属バットだったため、ヒットも飛距離も出やすい状態でした。

低反発金属バットを導入することで、反発性能は5~9%減少。

これにより、打者有利だった「打高投低」の状況を改善し、よりバランスの取れた試合展開を目指すとされています。

低反発バットの導入で、投手と打者のバランスが均等になると考えられています。

投手の負担軽減

高校野球では、投手の負担軽減を目指してさまざまな取り組みが行われています。

その一つが球数制限の導入です。

球数制限とは、一人の投手が一定期間に投げられる球数を制限するルールで、2020年のセンバツ(選抜大会)から正式に採用されました。

具体的には、一人の投手が1週間で投げられる球数は500球以内です。

このルールにより、投手は過度な負荷を避けることができ、肘や肩などに重大なダメージを与えるリスクが低減。

そして、低反発バットの導入により打球速度が抑えられ、怪我や乱打戦による故障も防ぐ狙いがあります。

飛びすぎる従来の金属バットが見直され、投手の健康と安全が最優先されるようになりました!

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低反発バットを高校野球に導入したら飛ばない?影響を調査!

低反発バットが高校野球に導入されたことで、さまざまな影響が出ているようです。その中でも特に注目されるのは、打球の飛距離に関する影響です。

以下に、低反発バットによる具体的な影響を調査しまとめました。

飛ばないことによる影響:なぜ飛ばないか?

低反発バットは、従来の金属バットと比べて反発性能が5~9%抑えられています。そのため、打球速度が遅くなりボールも飛びにくくなる。

芯をしっかりと捉えないと、ホームランやヒットにつながらない可能性が高いと言われています。

この特性により、打者は従来の金属バットのように簡単に長打を打つことが難しくなる傾向にあります。

結果として、打者はより正確なバッティング技術が求められるように。

芯に当てる技術の必要性

低反発バットの特性上、芯を外して打ったボールはさらに飛びにくい傾向に。

バットの先端や根元で打ったボールはあまり飛ばないので、アウトになる可能性が高まります。そのため、芯でしっかりとボールを捉える技術は不可欠と言えるでしょう。

低反発バットは木製バットに近いため、木製バットでの打撃練習やティーバッティングなどを通じて技術を身につけることもできます。

多くの高校では、さまざまな方法でボールを芯でとらえる技術の向上に取り組んでいるようです。

外野手の守備位置の変化

低反発バットの導入により、打球の飛距離が減少したことで、外野手の守備位置も変化へ。

従来は、長打を警戒して外野手が後方に構えることが多かったですが、低反発バット導入後は、やや前進して守るという変化も見られます。

まだ低反発バットを導入したばかりなので、違和感があるのは仕方ないですね。

ヒットやホームランの減少

打球の飛距離が減少したことで、試合の展開も変化しています。

一発で試合を決めるホームランが減少し、小技や繋ぎの野球が重要視されるように。

現に、第96回選抜大会では得点は減ったものの、盗塁や犠打数は増え、低反発バットが導入されたことで戦略の変化がみられているとのこと↓

このように、低反発バットの導入は高校野球に大きな影響を与えています。

選手たちは新たなバットの特性に対応し、バッティング技術を磨くだけでなく、より戦略的な打撃と守備が求められるようになりました。

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高校野球に導入の低反発金属バットの新基準や見分け方は?

ここでは、低反発バットの新基準や従来の金属バットとの違い・見分け方を、日本高野連(日本高等学校野球連盟)の動画を参考に紹介します。

低反発金属バットのスペック、重量、最大径などの新基準は日本高野連が定めており、変更点は以下のとおりです。

①最大径の変更
新基準バットと従来の金属バットとの違い

・新基準は最大径64mm/従来は67mm
・新基準は従来の最大径よりも小さく、バットが細くなっている
※最大径64mmは木製バットのスタンダードなサイズ

画像引用:youtube動画「新基準金属製バットについて」より

「新基準金属製バットについて」のyoutube動画で新基準を確認したい方はこちら↓

②打球部の肉厚の変更
新基準バットと従来の金属バットとの違い(金属バットの断面)

・打球部分の肉厚を約3mm→約4mm以上を想定。
・従来よりも肉厚になっている。

画像引用:youtube動画「新基準金属製バットについて」より

製品安全協会が定める試験の規定値をクリアするには肉厚約4mm以上が必要。また、最大径や肉厚が変わってもバットの全体重量900g以上の制限は従来通りです。

③トランポリン効果の減衰(変更点)
新基準バットと従来の金属バットとの違い

新基準バットは打球部を細く肉厚にし、トランポリン効果を減衰させる→反発性能を抑制

トランポリン効果とは?
打撃時に投球とバットが衝突する際、約3トンの衝撃が生じると言われ、その衝撃でバットが凹む現象をトランポリン効果と言います。

バットの凹みが復元する際にエネルギーロスが発生し飛距離が減衰。新基準バットはトランポリン効果を減衰させて反発を低下させます。

「新基準バットと従来の金属バット」見分け方

下記画像を参考に。
・新基準バット:製造記号(アルファベット)の末尾が「R」
・従来のバット:製造記号(アルファベット)の末尾が「N」

画像引用:youtube動画「新基準金属製バットについて」より

以上が新基準バットの概要と効果でした。

高校野球では木製バットも使用できる?

高校野球では、木製バットもこれまで通り使用可能です。

木製バットには重量制限がないため、900g以下のバットでも使用できます。※金属バットの場合、全体重量900g以上と決まりあり。

また、新基準バットの最大径64mmは木製バットのスタンダードな太さと同じです。

木製バットは金属バットよりも滑りやすく、滑り止めスプレーが必要に。しかし、日本高野連は滑り止めスプレーの使用を禁止しています。

実際に高校野球で木製バットを使用する選手も現れましたが、数としてはまだまだ少ないようです。

新基準バットへの対応は選手の技術向上を促すだけでなく、高校卒業後の木製バットへの移行が円滑になる!?
将来、プロ野球で活躍する選手を輩出することにつながるかもしれませんね。

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2024高校野球の2部制3日間限定や7回制について

開幕から3日間限定の2部制導入とは?
甲子園球場で毎年行われる全国高校野球。2024年8月7日に開催された夏の高校野球では、開幕から3日間限定で午前と夕方の2部制で試合が行われました。暑さ対策として導入。

2部制の3日間の日程

大会初日(7日)の流れを簡単にまとめると、
・開会式後、午前10時すぎから第1試合が行われ、正午すぎに終了。
・第1試合終了後、観客は退場し球場の外へ。
・午後3時に球場を開門。午後4時に第2試合が開始。
・第3試合はナイトゲームで行われました。

8日、9日は、午前8時から連続で2試合行われ、3試合目は午後5時から開始。

3日間限定は、まだ実験的な段階のようです。

高校野球のナイトゲームは意外に好評のようです。

また、前大会から導入された「クーリングタイム」は、今年も導入されました。

5回終了後に10分間の休憩時間が設けられ、水分補給や額に氷のうを当てて冷やすなど、さまざまな熱中症対策がとられています。

また、今大会からユニフォームが2着配布されました。汗をかいたままでは体が冷えてしまうためです。

そして、日本高野連は将来的に試合を7回で打ち切る「7回制(7イニング制)」の検討に入りました。その背景には、異常な暑さでの開催に批判の声が高まっているからです。

SNSで7回制に関する声を集めてみました。

SNSでは「7回制」の導入に反対意見が多い印象です。

近年、タイブレーク制や球数制限が導入され、さらに低反発バットや2部制が導入された今、7イニング制の導入が検討されるのは自然な流れかもしれません。

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まとめ

今回は、高校野球に導入された低反発バットについて解説しました。

低反発バットの場合、芯で打つ技術が必要だということがわかりました。

また、打球が飛ぶ距離が大幅に短くなるので、パワーをつけて飛距離を伸ばしていくことも必要になってくるかもしれません。

熱中症対策として、2部制や7回制の導入も本格的に検討されているので、選手たちの健康と安全が今後さらに重視されることになるでしょう。

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